ダンスにおける目新しさの追求とその危険性

目新しいものを追いかける危険性

こんにちは!

はっす→です!

ブレイクダンスの「1990」という技をご存じでしょうか。片手で倒立して、そのまま手のひらで回転する技ですが、この技名の由来は1980年代に「1990年までは誰もできないだろう」と言われていたため、このような名前が付きました。しかし、1990年より前に「1990」ができる人はいましたし、「1990」をより難しくした「2000」という技も「2000年までは誰もできないだろう」と言われていましたが、あっさりと1990年代にできてしまう人が出てきました。

レゲエの三点倒立も、たまたまPVでやった人がいて、それがきっかけで爆発的に「レゲエといえば三点倒立」といわんばかりにマネする人が増えました。ここ数十年ではネットの普及による動画配信が加速したことにより、次々新しいものが生まれては、すぐに淘汰されるようになりました。ダンスでも1つの動きが生まれては当たり前のように消費されています。

誰も思いつかなかったから凄かったものは、人前に出た瞬間から当たり前になって、食品の賞味期限があるかのように期限が過ぎると誰もマネしなくなっていきます。新作のPVに出ているステップが格好良いからみんなでマネる、新しい動きや技を思いついては披露する。新しいことを見つける、求める探究心は非常に良いことですが、踊ることを楽しむのではなく、新しいものを考えて披露することが目的になってしまっては、これはダンスといえるのか怪しくなります。

そして「古いものはダサい、格好悪い」という考え方をしていては、小手先の動きやステップばかりに目がいってしまい、中身が空っぽのダンサーになってしまいます。

ダンスの本質を理解する

昔の動きを知る、歴史を知るということも大切ですが、格好悪い動きをどうやって格好よく魅せることができるかという課題に試行錯誤して答えを見つけていくのもダンスの醍醐味です。簡単な動きほど格好よく魅せるのが難しいです。一見簡単な動きに見えていても、力の入り具合や腕や足の位置、重心、関節の曲げ具合、角度のさじ加減を総合して1つの動きを作り出していくのを自然にやっていけるのが、本当にうまいダンサーです。

トレンドの追求とそのバランス

一方で誰でもできる簡単な動きをみんなで踊るような動きは、トレンドに合わせて次々と新しくなっていきます。トレンドを全く知らないと、ダンサーとして情報収集が不足しているのではないかと思われてしまいます。トレンドは追いかける一方で、1つ1つの動きは出来るからOKではなく、自分の動きとして身に染み込ませるために何度も自分なりの動きの研究を重ねていくことが大切です。

まとめ

ダンスにおいて目新しいものを追いかけるのは魅力的ですが、それだけにとらわれてしまうと、本質を見失いがちです。新しい技術やトレンドを取り入れることは重要ですが、それを自分のスタイルに取り入れて、自分らしいダンスを追求することが大切です。古い動きも、新しい視点から見直して、自分なりにアレンジすることで、より深いダンスの魅力を引き出すことができます。ダンサーとしての成長には、目新しさと本質のバランスを保ちながら、日々の練習に励むことが必要です。